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教科「情報」アンケート結果

新しい教科「情報」に関するアンケートを、当Webサイトにて実施しました(2003年10月8日〜11月17日の期間)。本アンケートは、教科「情報」が実施されてから半年が経過したことから、実施状況、工夫されている点、お困りのことなどについてお尋ねし、21校の先生方から寄せられた回答内容をまとめたものです。以下、アンケートの結果概要を報告いたします。 アンケートの質問内容は⇒

アンケート結果からうかがえる現状


「苦労されていること」の上位にあがった回答を集約すると 、大きくは
   
コンピュータのメンテナンス・管理

(26)

時間不足  【教科のこと以外に
 時間がとられるなど】
(25)
人手不足  【助手がいない、
 または先生が足りない】
(22)

の3つに大別されました。「コンピュータのメンテナンスや管理に労力が必要で、授業準備に時間がかかる」、「授業を一人で進行するのが難しい時がある」などの回答からは、この教科の特徴が問題の根本にあり、それが「時間不足」や「人手不足」という結果として現れていることがうかがえます。企業に社内インフラ担当部署があるように、学校にもメンテナンスやアドバイスに的確に対応する「テクニカルチーム」のような担当部署が用意できる環境があるとベストなのでしょうが・・・。また、インフラ管理の大変さが、周囲(上司や同僚)になかなか理解されないことも先生方の大きなストレスになっているようです。

教科書を「ほとんど使わない学校」が2/3、半分ぐらい使用が1/3、すべて使用は1校という結果でした。その理由としては、「もともと補完的なものだから」、「実習中心で展開していくと教科書通りにはいかない」、「教科書だけでは説明不足」などが挙げられ、座学のテキストとして利用している学校が最も多いようです。また、利点としては、「内容が体系的」、「情報倫理の解説が良い」といった意見があり、不満点については、「応用が利かない」、「用語解説が不十分」、「例題・課題が少ない」、「提供教材にPDFが多くて編集が困る」などの意見が寄せられました。


スタート段階ということに加えて、"とにかく道具が使えないと先に進めない"ということもあってか、時間数20〜30時間あまりのうち大半の時間を、基本的なPC操作方法などの「基礎リテラシー修得」に割いている学校が多数を占めました。そして、次に多かったのは、「情報の収集・発信」と「情報機器の活用」です。このような結果からは、まずは道具が使えて、その道具で情報の収集や発信を行う過程のなかで、情報をどう工夫して処理していくのかを考えさせる。つまり、【IT技術を体験→ツール特性の理解を深める、→ITを使用することによる影響などを考える→どのように利用していくことが適切なのかを理解する】という、カリキュラムの流れが見えてきます。
各校の指導内容の時間配分表は⇒


86%(18/21校)の回答が、「今年度の1年生に情報A 」という結果でした。先生は、生徒の1/3〜半数ぐらいにスキル不足を感じており、ソフトやOSの基本操作、タイピング、情報倫理などのスキルを求めています。スキルの差を埋めるには、ティーム・ティーチング(TT)および、生徒間での協力体制が不可欠だと考えられます。また、実習の割合は平均すると76%で、評価については、作品・ペーパーテスト・出席状況・相互評価などをバランスよく取り入れている学校が多いようです。


アンケート結果のデータより

基本的な項目について

「情報」授業の
  開始時期
平成15年度
平成16年度
平成17年度
開講科目 情報A
情報C
  このほか、選択でBやCを実施している学校もある
指導教員数 4名
3名
2名
1名
採択教科書
副教材の使用 半数にあたる11校が Yes
TT採用状況 採用したいが出来ない
採用している
採用予定
コンピュータ教室 100%「あります」でした

生徒のコンピュータ・リテラシーの差について

生徒の何割が
 スキル不足?
10%より少ない
10〜30%
31〜50%
51〜70%
71〜90%
90%以上
足りないと思うスキルは?
 (TOP4)(複数回答)
ソフトの基本操作
タイピング
情報倫理
OSの基本操作
スキルの差を
 どう埋めましたか?
 (TOP3)(複数回答)
生徒同士で教えあう
TTによるサポート
補習
授業円滑化に
  効果的だったものは?
 (TOP3)(複数回答)
TT
生徒間の協力体制
インフラ整備
実習の割合は?(情報A) 平均76%(Min50%、Max100%)

評価方法について

評価の材料に何を
 お使いですか?
作品評価
ペーパーテスト
出席状況
相互評価
実技(プレゼン等)
実習中の態度
自己評価
ひとつで1校。学校により回答いただけていない項目もあるので合計が21にならないものもあります。)
編集後記

20以上の調査項目にもかかわらず、ご回答くださいましてありがとうございました。各学校環境の制約のなかで、やれることを工夫されている前向きな先生方が多かったです。それでもマシンのメンテナンス・管理や全日制と定時制の調整、学校行事とのスケジュール調整など、"日々戦い"といった印象がご回答内容からは感じ取れました。

IT-EI 事務局 山内

顧問よりひとこと

 IT-EIのアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。事務局の山内眞理さんが、いつもながら見事に結果をまとめて、傾向を見いだしてくださいました。
 集計を拝見して、ひとつだけ気のついたことがあります。採択教科書の出版社別の割合が、全国調査の数字(時事通信社「内外教育」2002.12.3)と大幅に違うことです。回答数が、21校と少ないので、当然といえば当然なのですが、誤解を生じても困ります。
 標本数が少ないことに加えて、かたより(良いとか悪いとかではなくて、統計学的なかたよりのことです)が原因でしょう。
 IT-EIメンバーの先生は、もともと情報教育に意欲的で、しかも指導的な立場におられる方が多いと推測いたします。そのような母集団で調査した結果が、集計の教科書採択割合になっているというわけです。
 今後とも、IT-EIが、教育現場からの声の受信、発信の役割をはたすことを願っています。


橋詰 正治