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職に就かず、学生でもなく、求職活動もしていない「ニート」(NEET=Not in Employment, Education or Training)といわれる若者が増加し、社会問題化している。2005年3月の内閣府の発表によると、15〜34歳の男女のうち約85万人(2002年10月時)がニートだという。
『フリーター・ニートになる前に読む本』(三笠書房)の著者で、船橋情報ビジネス専門学校企画広報室室長の鳥居徹也さんに、「フリーター・ニート」対策としての情報教育=コンピュータ・リテラシーの重要性についてうかがいました。
フリーター・ニート問題に取り組むようになったきっかけは?
10年ほど前、学生募集のために高校を回って営業活動をしていたとき、ある高校から「進路講和で『働くことの意義』について話してほしい」と頼まれたんです。人前で話すのは得意だったので軽い気持ちで引き受けました。ところが、これがかなり荒れた学校で、体育館で話をしたんですが、生徒はまったく話を聞かず騒ぎ出す始末。「学級崩壊」ならぬ「体育館崩壊」を経験しました(笑)。ショックでしたね。さらに傷口に塩を塗るように、先生が「鳥居さん、話すのあまり慣れていないですね」と言うんです(笑)。
そのときから私のリベンジが始まりました。コイツらになんとかこの難しいテーマをわからせてやろうと。それから目にするもの、耳にするものすべてを「働くことの意義」に結びつけて考えるようになりました。テレビ、新聞、映画から、心理学や脳科学の知識、フリーター・ニート問題やお金のことまで。それを一冊の小冊子にまとめて各所に配布したところ、朝日新聞で紹介されるなど大きな反響を呼び、単行本化されることになったんです。
この本には、「フリーター問題」の現状が中高生にも興味を持ってもらえるようにわかりやすく書かれていますね。また、どうすればフリーター・ニートを減らせるか具体的な提案もされています。
図解したり、クイズ形式にしたり、心理学者マズローの「欲求5段階説」を紹介したり、学生たちの反応を見ながら伝え方もいろいろ工夫してきました。この本は私の10年間の仕事のアウトプットであり、教育の現場から生まれた本なんです。第1章では「フリーター問題」の現状をクイズ形式で解説し、第2章では「働くこと」について掘り下げています。そして第3章では「学校さがし」について述べました。
良い学校には良い求人が集まりますから、学校に通ってさえくれれば「ニート」の問題も多少解決できると思うんです。良い学校に入学し、良いメンター(親以外の良き指導者)にめぐり合うこと。それこそが、ニートを減らすために教育界ができる最大の貢献ではないかと考えています。ここで書いた「学校さがし」のポイントは、そのまま当校の特徴にも当てはまりますので、企画広報室室長としての仕事にも直接つながっているんですよ。
船橋情報ビジネス専門学校では、主にコンピュータの知識を学ぶわけですから、そういう意味では、コンピュータ・リテラシーを身につけることは「働くこと」=「ニートを減らすこと」にも大きくかかわってきますよね。
「エクセル」や「ワード」などのアプリケーションを使えることは、ビジネスの出発点だと思っています。コンピュータ・リテラシーを身につけることで、会社での活躍の可能性も広がるでしょう。しかし、だからといって、学校で最初から実践的な知識や技術を教えればいいかというと、そうではないと思うんです。
よく大学の授業などで、いきなり「エクセル」の関数を教えて学生が興味を失ってしまうということがあります。まずは興味をもたせ、自信をつけさせることが大事。それには、最初に初歩的な検定にチャレンジさせるのが良いと思っています。当校では、コンピュータの資格取得を教育の重要な柱に位置づけています。例えば、情報ビジネス科と情報ネットワーク科ではMicrosoft
Office Specialistの取得が必須となっていて、入学して最初に取得してもらいます。就職の際の武器になることはもちろんですが、資格を取得することで学生に自信がつくのが大きいんです。自信をつけると学習意欲が加速します。資格を取ることは技術の習得ではなく、自信の習得なんですよ。
そうした好循環を生み出すためには教える側の意識も大切になりますね。
その通りです。教える側がその検定の意味をどう抑えているかで全然違ってきます。“絶対に取らせる”という意気込みが大事。検定に必要な知識と実際のビジネスで使う知識は違うから、といった態度を教師がとると、学生は敏感に反応し、合格率も落ちてしまいます。まずは、行動を起こして成功体験を積ませることが学生のやる気につながる、ということを教える側がしっかり認識していなければなりません。
本のなかでも脳科学の話で「行動を起こさなければやる気は出ない」「やる気がない場合でもやり始めないとダメ」と書かれています。
最新の脳科学によると、脳内には「やる気」を生み出す「側坐核(そくざかく)」という場所があって、この側坐核が活動すると、やる気物質「アセチルコリン」が放出されるといわれています。ただし、側坐核は刺激を与えないと活動しません。逆にいうと、やる気がなくてもまず行動を起こせば、それが刺激になって側坐核が勝手に興奮し、アセチルコリンが出てやる気が起きるんです。その意味でも、コンピュータ・リテラシーを身につける第一歩として、身近な検定を目標においてスタートを切ることは意義があると思います。
■インタビューご協力
船橋情報ビジネス専門学校 企画広報室室長
鳥居徹也さん
1965年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。
製薬会社の学術部、営業部を経て、1995年に船橋情報ビジネス専門学校に入社。
フリーター・ニートとお金の問題や良い会社・学校の探し方についてわかりやすく記した小冊子が朝日新聞夕刊(2005年5月12日付)やヘラルド・トリビューン紙(2005年5月20日付)で紹介され、大きな反響を呼ぶ。
2005年7月、この小冊子を単行本化した『フリーター・ニートになる前に読む本』(三笠書房)が発売。
鳥居徹也進路ブログ http://blog.livedoor.jp/yatsute2005/
船橋情報ビジネス専門学校 http://www.chiba-fjb.ac.jp





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